クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件で起訴された八田隆さんに佐藤弘規裁判長が語った言葉は?

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件で起訴された八田隆さんに佐藤弘規裁判長が語った言葉は?

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目次

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件とは

2008年11月5日に国税局は、クレディ・スイス証券の従業員及び退職者の一斉税務調査を行いました。

対象者は約300人に上りましたが、そのほとんどが、自社株(売買制限条項付株式及びストックオプション)で受け取った海外給与を正しく税務申告しておらずに申告漏れとなったものでした。

報酬のうち給与は現金で、現金の支払いは日本で支払われていたために、源泉徴収されていたので、賞与の、株式での支払いもされているものと気が付かなったのがほとんとでした。

八田隆さんを含む多くの職員や元職員は国税側の指摘に従ってすぐに修正申告の意思を伝えました。

そのうち約100人がそれら株式報酬を無申告で、同時期以降には、その他外資系証券にも調査が入って、同じように多数の申告漏れが指摘されています。

八田隆が東京地検に刑事告発される

2009年12月7日 東京国税局がクレディ・スイス証券外国債券部八田隆元部長を東京地検に刑事告発しました。

多くの職員、元職員も申告漏れをしている中、告発されて起訴されたのは、八田隆さんだけでした。

2011年12月7日 東京地検特捜部は八田隆元部長を所得税法違反容疑で起訴しました。

八田隆さんのクレディ・スイス証券での勤務は

2001年6月にクレディ・スイス証券に入社。
2007年4月に退職しました。

そして、2006年から2007年の所得約3億4800万円を隠し、所得税約1億3200万円を脱税した罪に問われることになりました。

7年に退社したことで、賞与で持っていた株式を売却したことで
無申告額の金額が他の職員よりも、大きくかったことと、
「意図的な所得隠しではない」の主張を崩さなかったことから

東京地検特捜部は八田隆さんだけを刑事告発したとされます。

有罪率100%国税当局の査察が覆る

2011年12月7日 八田隆元部長を所得税法違反容疑で起訴されました。
告発されたのが、2009年12月7日、特捜部に呼び出されたのは11年9月でした。
査察部が八田隆さんを起訴するには証拠が不十分だったからだといわれてました。

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件でただ一人東京地検特捜部起訴された八田隆さん。

有罪率100%、国税当局の査察を受けて、検察に起訴されれば必ず有罪判決が下る。というのがこれまでの常識が覆ったのでした。

2013年3月1日 東京地裁による無罪判決
2013年11月15日 東京高裁にて控訴審初公判。
2014年1月31日 東京高裁が控訴を棄却
2014年2月14日 東京高検、上告を断念。八田隆元部長の無罪が確定。

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佐藤弘規裁判長の語った言葉とは

1審で無罪判決を言い渡した佐藤弘規裁判長が八田隆さんに対して語った言葉が印象に残っていると言われています。

佐藤弘規裁判長は、

「私の独り言として聞いてください」として

「今回のことで(長い)時間が過ぎ、大切なものをなくしてきたと思います。それを取り戻すのは難しいと思いますが、(そんな中でも)家族やいろんな人が残ってくれましたね。そういった人のために前を向いて、残りの人生を、一回しかない人生を、しっかり歩んで欲しいと思います」

と語りました。

八田隆さんは、最終意見陳述の中で、自分の天職だと思っていた外資系証券マンとしての仕事を奪われたこと、
多くの知人たちが去っていった無念さを語っていたことへの、裁判長からの返事のように思えたと言います。

そして、

「法曹の道を選んだとき、誰しもが正義を求める積もりで、選んだはずだ。私もその初心を忘れずに歩んでいきたい」

100%の常識がが覆ってしまったこと裁判長が自分自身に言っていたのも印象的でした。

検察側が控訴した2審でも東京高裁の角田正紀裁判長は、検察側の取り調べ請求をすべて却下して即日結審しました。

14年1月には、「被告人が積極的な所得秘匿工作を行った事実が認められない」と1審よりさらに踏み込んだ事実認定で控訴を棄却したために検察側は上告を断念し、無実が確定しました。

東京高検から「明確な上告理由が見当たらないので、上告はしないこととした」

と一文が書かれた書面がだされたのみで八田隆さんに対する謝罪はなかったといいます。

国に5億円の損害賠償を求めた裁判

八田隆さんは、国に5億円の損害賠償を求めた裁判を起こしました。

国税当局の調査が始まってから無罪判決が確定するまで5年数ヶ月の時間を要しました。

通信社が起訴についての英文ニュースをインターネットで配信したこともあり、外資系の企業からも就職を断られ、仕事を失いました。
刑事事件の弁護人の費用は自腹
逮捕はされなかったが、その分、身柄拘束分について支払われる刑事補償もなされていない。
何ら賠償はなされませんでした。

裁判は、2018年3月12日に検察の対応を「合理性がある」と判断し請求を棄却されました。

佐藤弘規裁判長を日曜THEリアル!・実録スクープ!で

日曜THEリアル!・実録スクープ!その時、裁判官は言った【東京地裁に初潜入!】

2020年9月6日(日)20時00分~21時54分の放送

史上唯一のハイジャック致死事件…死刑か無罪か前例なき判決下した裁判官
▼東京地検特捜部に勝った会社員…法廷で何が!?
▼東京地裁に初潜入!現役裁判長に直撃

番組内容
実際の裁判の中で、裁判官が被告人に対して投げかけた言葉や説諭に焦点を当て“なぜその言葉を投げかけたのか?”“その言葉は被告人の後の人生にどんな影響を与えたのか?”を取材。報道では語られない、裁判の裏に隠された真実や人間ドラマを、当事者の証言と再現ドラマでひもといていく。加藤浩次がMCを務め、ゲストにはカンニング竹山、佐藤仁美、若狭勝弁護士、ゆきぽよ(木村有希)が登場する。
▽日本のハイジャック史上初めて命を落とす犠牲者を出した事件 前例のない事件を裁くこととなった裁判官の苦悩とは?
▽エリート証券マン巨額脱税事件 裁判官が異例の謝罪…無罪を勝ち取った被告人の、検察への怒りを鎮めた裁判官の言葉とは? また、加藤とゆきぽよは裁判官たちの素顔を探るべく、東京地方裁判所へロケを敢行。刑事事件を扱う裁判官たちが働いている執務室に潜入する!

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