乳がんの予防切除手術を推奨?公的医療保険適用を目指す! BRCA1、BRCA2遺伝子変異でアンジェリーナジョリーも

乳がんの予防切除手術を推奨?公的医療保険適用を目指す!
BRCA1、BRCA2遺伝子変異でアンジェリーナジョリーも

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目次

乳がんの予防切除手術が推奨に

乳がんの予防切除手術は、健康な乳房を乳がん発症のリスク回避のために切除すること。

数年前、女優のアンジェリーナジョリーさんが健康な両乳房を切除し、再建する手術を受けた事が話題になりました。

アンジェリーナジョリーさんは、家族を乳がんで亡くしていました。
遺伝子検査を受けると将来同じような乳がんを発症するリスクが高いことが分かりました。

がんのない乳房を切除すると、切除しなかった人と比べて死亡リスクを半減させることが海外の複数の研究からわかっていました。

それを受けて日本乳癌学会は、会の診療指針を改定し、
乳がんの予防切除手術を「強く推奨する」としました。

乳がん予防切除手術の公的医療保険適用を目指す

「アンジェリーナジョリーさんのように予防的に切除手術を受ければ、確かに乳がんの発症リスクは激減する」

海外の複数の研究からも、長年にわたって乳がんを診てきた
川崎医大病院の園尾博司病院長は説明しています。

日本乳癌(がん)学会などは予防切除の手術を「強く推奨する」としたことから、公的医療保険の対象にするよう求めて
厚生労働省も近く、検討を始めるといいます。

どのくらいで保険の対象になるのでしょうか。

乳がんの遺伝は約7~10%

「がんは遺伝する」「うちはがん家系だから」なんてよく聞きますが、がんは遺伝するのかというと不安になってしまいがちですが
「ほとんどのがんは遺伝しない」というお医者さんもいます。

日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告」(2010年次報告)でも2親等以内(母親、娘、祖母、姉妹など)が乳がんになったことのある人は9%に過ぎなかった。

がんの患者さん全体のうち、大半は食生活や運動習慣、ウイルス感染や紫外線といった環境要因が原因とされる。

乳がんは女性のがんで最も多く、年に約9万5千人が診断されています。
遺伝が要因となるがんはごく一部で遺伝性乳がんでは
乳がん全体の「約7~10%」だといいます。

さらに患者の3~5%は、遺伝性のがんの原因とされるBRCA1、BRCA2遺伝子の変異があるという。
生涯で乳がんにかかる割合は変異のある女性は、40~90%で
全体の9%に比べて高いと言える。

BRCAは細胞ががん化するのを抑える働きをしているといいます。
病的変異があれば、その働きが不十分になってがんになりやすい。
アンジェリーナジョリーさんは、BRCA1に病的変異が見つかったため、乳がん予防切除手術を行いました。

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BRCA変異は採血による遺伝学的検査で診断

BRCA変異は採血による遺伝学的検査で診断でき、
3週間で結果がでるそうです。

次のような場合、変異の可能性が高い家族歴要因を評価

・50歳までの乳がん診断
・同一女性で両乳房にがんを発症
・同一女性または同一家族のいずれかで乳がんと卵巣がんの両方を発症
・多発性乳がん
・家族のうち1人にBRCA1またはBRCA2に関連した原発性がんを2つ以上発症
・男性で乳がんを発症
・アシュケナージ系ユダヤ人

心配だったストレスになるので検査をしてみた方が良いかもしれません。

「認定遺伝カウンセラー」の存在

遺伝子の変異が見つかったら、どうすればいいのか。

「BRCAの変異があっても全員ががんになるわけではない。
がんになりやすい“体質”が遺伝するのだと思ってほしい」
とある教授は言っています。

しかし、遺伝性のがんは本人だけの問題ではなく、
遺伝子の変異が子孫に伝わる可能性のあります。

「認定遺伝カウンセラー」という存在がいます。

血縁者にどう説明すればいいのか…。
遺伝性乳がんの場合、乳房の予防切除手術を受けた方がいいのか…。
不安や疑問を持つ患者・家族に科学的根拠に基づく情報を分かりやすく伝え、治療の選択をサポートする専門職です。

臨床遺伝子専門医と連携しながらも独立した立場にあって
「私たちは患者・家族の権利を最優先に、場合によっては医師とは別の立場から、どうするのがいいのか一緒になって考える」
と強調する。

川崎医科大学附属病院(倉敷市)の場合、木曜日午後、完全予約制遺伝診療部では遺伝カウンセリングは、医療保険は適用なし。、
料金(初回7560円、2回目以降2160円)は全額自己負担。

乳がん予防切除手術はした方がよいのか

2015年9月~2016年8月末までの1年間で聖路加国際病院や昭和大病院など7施設で検査した1527人を対象に調べたところ

そのうち297人にBRCA1、BRCA2の遺伝子変異があった。
その中の約20%にあたる49人ががんのない反対側の
乳房内の乳腺部分を取り除く手術を受けていた。

予防的切除手術は、自分の将来や周囲にどんな影響を与えるかを冷静に受け止め、熟慮する必要があります。

現在は予防切除手術は保険適用外

アンジェリーナジョリーさんが予防切除手術をしたことで世界中にこの手術の意義を示しました。

予防切除手術の保険はまだ適用になっていませんが
通常の治療目的の手術後の人工乳房が保険適用になりました。

予防切除手術の費用は全額自己負担になるので
だいたい、乳腺の全摘出と再建術で100万~200万円くらいかかるようです。

金額を聞いて、諦める人も多いそうです。
これが、保険適用になると金銭面で諦める人は減るかもしれません。

アンジェリーナジョリーさんは、報道で
「乳がんになる確率が87%だったのが、(手術を受けたことで)5%に下がった」と話しています。
リスクと痛みと悩むところです。

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